インタビュー
がんの早期発見が可能になる特異度の高いマイクロCTC検査に期待
『サンクリニック ブレストケア・イムノケア』 院長:杉野 三千男氏
「サンクリニック ブレストケア・イムノケア」は、乳腺外来・高精度のマンモグラフィと超音波機器による乳がん検診や、乳がんに限らない全ての固形がんの術後再発予防、再発治療を目的とした免疫療法などをおこなっています。標準治療に加えて、免疫療法と最新の医療を調和させた「心と体にやさしい統合医療」を提供している専門クリニックです
2004年の開業時から、黎明期にあったCTC検査の臨床試験に協力、早い時期からCTC検査に興味を持っていたという杉野三千男院長に、マイクロCTC検査導入のいきさつや、治療の中でどのように取り入れているのか、お話をお聞きしました。
サンクリニックの特色、治療方針についてお聞かせください。
誰もが持っている病気を治す力である「免疫力」を高め、最先端医療と融合させた、心と体にやさしい統合医療を目指しています。がんを老化の一つとしてとらえ、体の細胞を若返らせることにより、がんの予防・早期発見、がん術後の再発予防、再発治療に取り組んでいます。
乳がんに対しては、免疫療法と分子栄養学(サプリメント)を一人一人に合わせた組み合わせをします。私が作ったキノコの菌糸抽出物加工食品のBioLEK(バイオレック)も使用します。これらの治療により免疫力を高めた状態で、抗がん治療などの標準治療を行います。免疫力を高めることで、抗がん剤にも負けない体となり大きな効果が期待できます。また、免疫力を血液検査によって測定し、各個人にあった治療を行っています。
マイクロCTC検査を導入した理由についてお聞かせください。
サンクリニックが開業したのは2004年ですが、当時ある検査会社がCTC検査を始めたことから、臨床試験に協力しました。乳がん患者さんを対象にCTC検査を行いましたが、20年前は精度が非常に低く、期待できる結果ではなかったため、その時点では導入を諦めました。
しかし、CTC検査に関しては非常に興味を持っていましたので、約10年程前から海外のCTC検査を取り入れていました。抗がん剤や分子標的治療薬、サプリメントの感受性などを見て、転移や再発を予防するSOTアンチセンス治療、マイクロ波治療などの治療方針に反映させていました。しかし、CTC検査に関しては非常に興味を持っていましたので、約10年程前から海外のCTC検査を取り入れていました。抗がん剤や分子標的治療薬、サプリメントの感受性などを見て、転移や再発を予防するSOTアンチセンス治療、マイクロ波治療などの治療方針に反映させていました。
例えば1個の乳がんの細胞から、がんが1cmになるのに平均すると10年かかります。がんが1〜2mmの大きさになると酸素や栄養を必要として血管新生が起き、血液中にがん細胞が入ることで全身を巡ります。この血液中を循環しているがん細胞がCTCです。
以前から使っている海外のCTC検査は、がんがある程度進んでしまっている状態を見る検査です。進行してしまう前にがん細胞を見つけるためにはどうしたらいいのか、ずっと考えてきました。
がんはある程度の大きさにまで成長したり、他臓器へ転移してしまうと、治療しても根治が非常に難しくなります。がんが大きくなる前に早い段階でがん細胞を見つけるためには、血液で検査するリキッドバイオプシーが有効なのです。
血液中に流れる、がん細胞由来のCTC、がん細胞由来のDNA(cfDNA)、がん細胞由来のRNA(cfRNA)、がん細胞由来のエクソゾーム、この4種類のがん細胞由来の物質が循環しているのを発見するために、一番簡単な方法はマイクロCTC検査です。
マイクロCTC検査で陽性になれば、体のどこかに悪性度の高いがんがある可能性が高くなります。全身の精密検査を行い、がんの進行を待つよりも早期に自由診療での治療を開始することができます。
また、日本の厚生労働省にあたる、アメリカのFDA(食品医薬品局)がCTC検査を承認したことも契機となり、特異度の高いマイクロCTC検査には意義があると感じ、当院でも導入しました。
患者さんにはどのような形でマイクロCTC検査を勧めているのでしょうか。
当院ではがんの早期発見を求める方で、自由診療が可能で毎年人間ドックをやっている、健康意識の高い方にお勧めしています。できれば1年に1回、人間ドックと並行して行うのがベストで、特にマイクロCTC検査で陽性になったら人間ドックで全身をくまなく調べてみることを勧めています。
毎年の検査は同じ病院でおこなった方が良いと思います。患者さんの昨年の状態が把握できていますし、その方の性格とか生活習慣も熟知していますので、重点的に検査すべき部分もわかります。
当院でも乳がんの患者さんは最近急に増えています。先月も長年乳がん検診で通っていらっしゃる患者さんが、1㎝未満の早期の状態で見つかりました。同じ病院で検査していれば、同じ検査を定点観測することができるので、3㎜~1㎝といった初期の段階で発見することも可能です。
医療ツーリズムで来院されるインバウンドの患者さんも増えています。医療ツーリズム目的で来られる方は、人間ドックも同時に受ける方が多いです。PET-CT検査やMRI検査も含めて全て異常なしであっても、マイクロCTC検査で陽性になれば、悪性度の高いがんが体のどこかに隠れている可能性があります。そのためがんが大きくなる前の超早期の段階で、治療を開始することを提案できます。
マイクロCTC検査の今後の展開についてご意見があればお聞かせください。
マイクロCTC検査は評価していますが、自由診療なので18万円の検査料金は患者さんにとっては負担が大きいため、検査料金がもっと低くなればさらに良いと思っています。
当院の乳がん検診では、最新の高精度マンモグラフィーを導入してますし、パルスドップラーやエラストグラフィーを搭載した高精度の超音波機器を使用しています。かなり細かいところまで見えるため1か月で2~3例、乳がんの早期発見があります。マイクロCTC検査導入により、さらなる早期発見が期待できると考えています。当院の乳がん検診では、最新の高精度マンモグラフィーを導入してますし、パルスドップラーやエラストグラフィーを搭載した高精度の超音波機器を使用しています。かなり細かいところまで見えるため1か月で2~3例、乳がんの早期発見があります。マイクロCTC検査導入により、さらなる早期発見が期待できると考えています。
【杉野三千男氏 プロフィール】
医学博士
社会福祉法人あそか会 あそか病院 元副院長・元外科部長
日本外科学会 認定医
日本乳癌学会 会員
国際統合医療学会 会員
米国臨床金属毒性学会 会員 ABCMTキレーション認定医 国際オーソモレキュラー医学会 会員
免疫療法研究会 代表
日本再生医療学会 会員
【サンクリニック ブレストケア・イムノケア】
乳腺科・内科・がん免疫療法・形成外科・美容医療・再生医療
東京都墨田区江東橋5丁目3番13号 写測ビル1F TEL:03-5625-2067
公式サイト:https://son-clinic.jp/